第4回 ラクテーションコンサルタントにお世話になった体験談

 薬剤師のSAKINAです。昨年出産し、ラクテーションコンサルタントに大変お世話になりました。今回はその実体験についてレポートしたいと思います。  まずラクテーションコンサルタントとは授乳に関してのスペシャリストのことで、病院や小児科クリニックなどで働いて母乳育児をサポートすることを仕事としています。

 International Board Certified Lactation Consultant(IBCLC、国際認定ラクテーションコンサルタント)という資格をもっている人がよりスペシャリストのようです。私が入院していた病院でもラクテーションコンサルタントが何人か交代で働いており、初めて娘に授乳する際手取り足取り授乳の仕方を教えてくれました。具体的には、授乳時の赤ちゃんの抱き方やおっぱいの吸わせ方のアドバイスをしてくれました。

アドバイス1 生後は赤ちゃんと母親の素肌同士が触れ合うように抱くskin to skinが母乳の出をよくするので、
授乳時はあかちゃんはおむつだけの状態で抱くのがいい
アドバイス2 母乳が出なくてもとりあえず吸わせる
アドバイス3 乳首を深くくわえさせる  etc…

 

 その後も質問がある際などにナースコールで呼ぶと病室まで来てくれました。

 アドバイス通り実施したものの、生後2日目の体重測定で娘の体重が10%減っていて母乳不足が発覚しました。その時の担当看護師の指示で搾乳機で母乳を搾乳してみると、1mLほどしかでていませんでした。その結果、足りない分はミルクで補充するように指示されました。ただラクテーションコンサルタントは最初は母乳が出ないのは普通だからミルクは必要ないという意見で、ミルクをあげることには納得していないようでした。結局体重減少を考慮してミルクをあげ始めたものの、娘の様子を見るために朝の予定だった退院は夜まで延期されました。また次の日は大学病院、2日後は小児科を受診し体重の増加を確認するように指示を受けました。私は利用しませんでしたが、その病院では退院後でも予約をすれば直接ラクテーションコンサルタントからアドバイスを受けられるようなアフターケアも整っていました。

 私の娘の小児科クリニックでもラクテーションコンサルタントが働いており、病院を受診した際に医師の勧めで授乳の仕方をみてもらうことになりました。特におっぱいマッサージなどの施術はないものの、補足のミルクの量や授乳後に5分間搾乳すると母乳の出が良くなるなどの助言をくれました。娘がきちんとおっぱいが飲めているかは喉の動きと飲み込む時の音で確認していました。2回目の相談時には授乳前後で子供の体重を計り、体重の増加具合から母乳の出具合を確認してくれました。また相談の数日後には、娘の様子を確認するために毎回電話でフォローアップをしてくれました。最終的に計3回直接アドバイスをもらい、生後3か月の時に完全母乳に移行することができました。非常に助かったのですが、請求書がきてびっくりしました。その額は3回の相談で、300ドルでした(最終的に保険が適応になり、1回につき25ドルになりました。)調べてみると、相談料は1時間につき50ドルから100ドル(保険なしの場合)が相場のようです。

 ラクテーションコンサルタントの存在を知る前は、アメリカで母乳育児をするにあたり困ったときは誰に相談すればいいのだろうと色々と不安でした。でも実際にお世話になってみて、アメリカでもちゃんと母乳育児のサポートをしてもらえることがわかりました。私の場合頼れる人がアメリカにはいなかったので、不安なことや話を聞いてもらえるだけでも楽になりました。ラクテーションコンサルタントは自分のような新米ママにとって非常に心強い存在だと身をもって感じました。

 

・第1回 アメリカでの妊婦検診体験
・第2回 アメリカでの妊娠出産記録
・第3回 日本とアメリカのワクチン接種について
・第4回 ラクテーションコンサルタントにお世話になった体験談
・第5回 アメリカの搾乳機について
・第6回 アメリカの赤ちゃん用ミルクについて
・第7回 新型コロナウイルスについて@ケンタッキー州 Part 1
・第8回 新型コロナウイルスについて@ケンタッキー州 Part 2
・第9回 アメリカの産休育休事情
・第10回 第10回 新型コロナウイルス事情について@ケンタッキー州(7月の状況)
・第11回 病院受診について~整形外科(Orthopedics)編~
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