守り神の女神にさようなら。
これからは素の自分磨きを
神様から、閉経後の平均35年以上の寿命をプレゼントされた私たちですが、喜んでばかりはいられません。
宮原先生によると、更年期の始まる40代半ばごろから女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、自律神経のバランスが崩れやすくなるといいます。その結果個人差はありますが、のぼせ、ホットフラッシュ、めまい、不眠、肩こり、精神不安定などさまざまな不快な症状が現れます。五月雨式に現れてくるので、更年期の知識がないとまさに「なんだなんだ」と戸惑うこともままあるそうです。これぞまさしく、更年期のイメージを悪くしている元凶です。ホットフラッシュやイライラなどの辛さについては、親や先輩などから体験談を聞く機会も多く、できれば自分とは無縁であってほしいと誰もが願っていることでしょう。
しかし、問題はそれだけではありませんでした。宮原先生は、女性ホルモンが減少することで、それまでかかりにくかった病気にかかりやすくなるといいます。その病気は女性特有のものもあれば、いわゆるメタボのように血圧などに関係するものもあるそうです。
宮原先生はわかりやすく、「女性ホルモンは女性の体を守る女神」と表現。女神に守られている間は、暴飲暴食や過労など、多少の無理をしても病気にかかりにくいといえます。しかし、閉経によって女性ホルモンの恩恵を受けられなくなった体は「守り神の女神さまがいなくなった状態」です。女神のご加護がないわけですから、これまでと同じ生活を続けていると、気づかぬうちに健康が蝕まれていくため注意をしなければなりません。
女性が閉経以降にかかりやすくなる病気の代表例が、「骨粗鬆症」と「動脈硬化」です。
骨密度は20歳ごろがピークで、その後は女性ホルモンの働きで骨量が維持されていますが、女神がいなくなると、あとは減少の一途をたどります。骨はもともと毎日新陳代謝を繰り返し、女性ホルモンは骨からカルシウムが出てゆくのを防ぐ役割を果たしています。ところが閉経後に女性ホルモンが減少すると、カルシウムの抑制機能が失われ、骨が急激にもろくなり、骨量減少症や骨粗鬆症が発症しやすくなるのです。また、女性ホルモンは血管の柔軟性を維持する働きもあるため、閉経以降は徐々に動脈硬化が起こってくるのです。その結果、高血圧、そして虚血性心疾患を発症するリスクが高くなります。いわゆる生活習慣病にかかりやすくなるというわけです。
閉経後の人生には、想像以上のハンデが待ち構えていたのです。しかしモノは考えよう。女神がいなくなった体こそが、素の自分です。自分の体の変化をしっかり認識して、新しい生活習慣を見直すよいチャンスといえます。女神に頼らず、これまで以上に自分自身に磨きをかけ、健康維持と女子力アップに努めようではありませんか! 幸い、最近は更年期の不快な症状を緩和する対策がいろいろ研究されています。また、守り神の女神さまがいなくなった体をケアする方法も考えられています。
そうした最新情報を知るためにも、今回のようなセミナーに参加するのは意味のあることだと思いました。では、新しい生活習慣を身につけるにはどうしたらよいのか、まずは自分の体の状態を把握し、具体的な目標を立てること。その方法について、宮原先生の指導を元に、次回から紹介していきます。
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